こんにちは!

今日は「林業の成長産業化に向けたシンポジウム」の第3回に出席するため、矢板市の会場に来ています。

今回のテーマは「国内で実用化されている林業ICTツールの勉強会」です。

はたしてどんなツールや活用事例が出てくるのか、私も今から興味津々です。M

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

まもなく開演です。会場内はすでに満席です。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

最初に齋藤市長からのご挨拶がありました。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

続いてキックオフとしまして国内のICTツールについてFOREST MEDIA WORKの楢崎さんからご紹介です。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

世の中にどんなIT林業ツールがあるか。

カテゴリ分けすると大きくは航空レーザーやドローンなどの情報取得、それらを解析管理する分野、

そこからシミュレーションする分野、現場で使う工程進捗管理、流通管理など。

 

続きましては株式会社森林再生システムの加賀谷さんのご登壇。

ご紹介してくださるのは「見えない森林情報を集め『見える化』する

3Dレーザー計測装置『OWL(アウル)』」です。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

OWLとは: 光学的な森林台帳。森林情報をレーザスキャナによる3次元計測で取得。

現状の森林調査は: ひとつひとつポールを立てて手で測る。個人でデータにばらつきが出る。

電子化にも手間がかかるOWL: 胸腔直径、樹高、曲がり、立木位置、本数、

地形データなどが取得できる、即座にエクセルなどに出力。

 

会場でのOWLデモの様子。ボタンを押せば会場内にレーザが飛んで45秒ほどで計測完了。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

実際に林地で測定した結果を可視化して表示。ここから直径や曲がりなどを可視化できる。等高線の表示も可能。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

施業範囲を指定すれば範囲内の立木本数や材積etcが即座に出る。

ソフトも簡単に使え迅速に処理できる。

10箇所で取得したデータは5分ほどで処理可能。平坦であれば半日/1ha計測可能。

 

これまで複数人必要だった計測が1人で可能。計測自体はボタンを押すだけ。

OWLと図面だけ現場に持っていけばいい。測地点と立木を同時に測れる。可視化データが蓄積される。

 

作業の省力化、正確なデータ取得&ビジュアル化。もう山師とは言わせない。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

続いては特定非営利活動法人農林業経営支援センターの廣田さん、

タイトルは「データ作成・管理・分析サービス付きインターネットブラウザ型のオンデマンドGIS」です。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

スマート林業と言われているが何をすればいいのか?

多様化する情報をつなげていつでも使えるようにするプラットフォーム、クラウドGISのご提案。

 

ICTには2種類ある。アナログ作業をデジタルに置き換えて効率化するもの、

これまでなかったサービスをコンピュータで初めて可能にするもの。

今回は後者のお話

 

農林水産の中で一番IT化が遅れているのは林業。

山は広すぎて全員が同じ情報を持てない。情報の共有化、たとえば正確な位置情報の共有が不可欠。

 

情報を作るのはアウトソーシングできる。情報を使う、使えるようにするのが各事業体の仕事。

入力と作成をスムーズにすることで使える情報にする。

 

例えば電子化森林簿を地図上で可視化したらそこに所有者、

保安林の情報を乗せることで使える情報にする。

境界確定結果を乗せたり。こういった情報がどこでも見られる。圏外でも。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

必要情報を組み合わせた地図を提供することで現場案内のコストを削減。

現場の情報を頻繁にで共有することで進捗を管理できる。

地図に落とし込むことで進捗の出てる現場と手つかずの現場が一目瞭然。

面積ベース材積ベースの把握も容易。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

既存のソフトをそのまま使うだけでたくさんのことがすでにできる。

問題はデータがスカスカなこと。

必要な情報の種類自体は少ないけどアナログなデータがデジタル化されてない、

あるいは共有されてない。まずは手元の情報からデジタル化、クラウド化しませんか?

 

続いては株式会社ジツタの久保田さん

「現場作業を止めず生産効率UPさせる原木出荷管理スマートフォンアプリ」

木材検収システムのご紹介。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

高性能林業機械で生産性は飛躍的向上、でも検収が手作業でボトルネック。

 

はい積み、トラックに積まれた丸太をこれまでは手作業で測定、

野帳に書き込んで事務所でデジタル化してた。

これを測定時点でデジタル化、サーバに送信して自動で集計。GPS情報をつけて山土場の位置も管理。

 

入力はタップ、音声入力、デジタルメジャー、そして画像認識。

積まれた丸太を撮影して一気に太さを測定。チップなどで活用

 

検収システムのデモの様子。

太さに加えて樹種、所有者、現在位置などの情報を加えることで離れたところで流通計画を立てられる。

伝票出力も可能(アナログ化)。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

続いては株式会社インフォファームさんの

「所有者ニーズに応えるビジュアル作業提案書作成タブレットアプリ」を

FOREST MEDIA WORKS の楢崎さんからご紹介

林業の成長産業化に向けたシンポジウム

アプリ名「スピリット・オブ・フォレスター」 提案営業支援アプリです。

 

林業の提案営業: 森林管理に興味ない人に対して行う、そもそも現場すら知らない、

作業の様子を事前に見せられない、作業結果も。営業としてそもそも難しい。

 

スピリット・オブ・フォレスター: エクセルデータ、写真、動画などをアプリに入れることで

提案営業に使える説明資料を生成する。

森林所有者の意向に合わせて計画をその場で変更、見積もりも自動で追随。

契約もタブレット上で完了。

 

質疑応答。

Q: OWLについて。那須南森林組合で半年前に導入検討。皆伐にしか使えないのではないか。
木材検収システムについて。すでにプロセッサで材径計測ができるので充分ではないか。

A1: OWLは森林の現状を見せる営業ツールにも使える。造林事業の申請に使おうとする事例もあり。
A2: そういうプロセッサがあるなら充分なのはその通り。そういうのがない事業体に対しての安価なご提案。