第2部はパネルディスカッション。

テーマは「林業現場が使いやすい林業ITについての議論バトル!」

IT化は時代の流れだけど、本当に林業に必要なのか?

実際普及してないじゃないか、というところから切り込み。

 

ITで省けるのは補助金の対象でない間接部分、管理費が主。

こういう見えないコストの議論がほとんどなされてない。

そして手間が省けるのは事務所での事務作業。

現場作業者へのメリットがあまり感じられないので現場のインセンティブか働かない。

 

林業業界は本音のデータを出さない、あるいは出せない。

しかし建前のデータで作られたITツールは使い物にならない。

 

久保田: 現場にインセンティブがないのはその通り。

おじいちゃんはスマホをそもそも触りたがらない。なので現実には現場でデジタル化まで行かない

 

楢崎: 林業業界は常識が通用しない。

現場でのデジタルデータ入力を現場がやりたくないといえば拒否できてしまう。

なので紙データを後からデジタル化する形式に落ち着くのだけど、作業負担が大きい、即時性が失われる

 

デジタル日報のシステム化について。

廣田: 一社ごとにスタイル、管理目的が違う。複雑にすると誰にも使われない。

みんな自分が楽になるものしか使わない。

なのでデジタル日報をタイムスタンプの管理のみに特化したシステムにした事例がある。

加賀谷: そもそも正確なデータの把握がなされてない、

立木の数が帳面上より少ないなんてのは日常茶飯事。

実際に調べてみようとして初めてそういうことがわかる。

 

OWLの開発エピソード。開発者は葉っぱ1枚の弁別などあらぬベクトルの精緻さを追い求めがち。

開発は引き算の連続。

楢崎: 学者は研究目的のため機能を足し算したがる。民間はコスト削減のため引き算。

 

林業現場は本音を離さない。使えないシステムにダメ出しがなされずただ使われなくなる。

林業現場でスマホ入力は大変。

入力情報量が他業種より多く、作業中、作業後の手や腕の状態もスマホに向いていない。

そもそもスマホを入力インタフェイスに採用してるのが間違いではないか。

 

加賀谷: OWLは未経験な人でも使える装置。これからは未経験な人に林業に入ってもらう必要がある。

廣田: ICT化でどうしたら現場が嬉しくなるのかまだ掘り下げられてない。というより教えてほしい。

久保田: 栃木にはこれまで進出してこなかった。今後はよろしくお願いします。

 

以上でパネルディスカッションは終了です。

登壇者の皆様お疲れ様でした!

このあとしばらくブースでお話を聞く時間です。

林業の成長産業化に向けたシンポジウム