建築廃材から未利用材にシフト

ミツウロコグループの木質専焼発電所、ミツウロコ岩国発電所(山口県岩国市、小池健史社長)は、再生可能エネルギー電気特別措置法に基づく固定買取制度(FIT)が適用される設備認定を10月29日付けで取得した。既設発電所の認定としては初めて。

同社は、前身の岩国ウッドパワーが2006年に国内初の1万kW級の木質専焼発電所として発電を開始した。昨年ミツウロコグループのミツウロコグリーンエネルギー(東京都)に買収され今年7月に始まったFITの設備認定を申請していた。

主に建築廃材を燃料に発電してきたが、FIT設備認定後は、林地残材などの未利用材を全体の3割に当たる月間3500?投入する。従来はRPS法に基づく設備認定によって若干有利な売電単価の契約をしていたが、30日付けで同認定廃止。将来的には未利用材の割合を7割程度まで高める計画で、燃料区分に応じて売電価格が上がり大幅に収支が改善される見通しだ。
燃料となる未利用材は、山口県のほか広島県や島根県から調達する。すでに広島のチップ業者等5社が発電用木材事業者認定を取得済。一部は彼らとチップ取引のある製紙会社系商社を通じて納められる。燃料用木材を納入する飯森木材(山口県宇部市)の飯森一社長が副会長を務める日本樹木リサイクル協会(板垣礼二会長)も認定機関として事業者の認定を進める予定。

「製紙用チップの需要が減る一方、搬出間伐で低質材が増え、各地で需要ギャップが問題になっているが、それらのはけ口になりうる。FITを先行取得した発電所の意義は大きい」
業界内の既設のバイオマス発電所では、中国木材(広島県呉市)、銘建工業(岡山県真庭市)の発電所が設備認定を申請している。(日刊木材新聞 平成24年11月1日付け)
いよいよ、既設発電所にFIT申請が認定されました。山口、広島、岡山はバイオマス先進地になりそうです。このエリアの低質材、木材価格の動向が注目されます。発電は、規模が大きいほど効率が高まります。認定と同時にこの設備の周辺数十キロエリアの森林は価値が増すことを意味します。さてどのようになるのか、今後の動向が非常に注目されます。

山口県岩国市、広島県呉市、岡山県真庭市の周辺の森林所有者の方は、要注目です。