中日新聞 2013年7月29日付け

山林活用ドットコムには、多くの山林所有者の方からご相談頂きます。中日新聞さまの記事で、私たちも直面する、山林の敷地境界が不明確であるという問題を取り上げた記事を発見しました。

林業が衰退し、関心が薄れてしまっており、山林を相続してもその敷地境界が分からないのです。

国土交通省の一昨年の調査結果によると(全国の大都市で、居住地以外に森林を所有する人360名からの回答)、78%は森林を放置。18%は相続時に何の手続きもしていなかった。「所在の把握が難しい森林の所有者は約十六万人に上るとみられる」とする。

また、森林法が改正され、相続や売買などで森林の土地を新たに取得した場合は市町村に届け出ることが義務づけられたが、改正後で施行前に行われたこの調査では、九割近い人が知らなかった。国交省と農林水産省はパンフレットや解説書を作り、相続時の届け出や登記、土地活用の意思表示をするよう啓発している。(なお、法務省によると、相続や売買などによる登記は任意)

これほどまでに、多くの山林所有者の方の山林への関心が薄れてしまっているのが現実かもしれません。

そのようななか、NPO法人「穂の国森林探偵事務所」は、お父様の山林を相続し、残された手描きの地図や写真を手掛かりに森林を歩き、衛星利用測位システム(GPS)を使って緯度・経度で境界の仮くいの位置を記録し、地理情報システム(GIS)で地図と重ねて見せた。手描きの地図と公図の形は違う部分があり、生えている木の年代の違いを手掛かりにした。
山林所有者の方が支払った調査費用は一ヘクタールで八万円くらい。NPO法人は今まで山主七十人ほどの境界画定を行った。同法人の高橋理事は、「相続しても登記の手続きをしていない森林も多く、隣の山主たちを探すのは大変。得られた情報を地域で共有できるシステムが必要だと思う」と話す。

 敷地境界の問題は、近年関係者の多くから大きな課題として指摘されています。やはり、山林の価値が増しその関心を高めることなしに抜本的に解決することは出来のではないでしょうか?国の政策においてもこれらを積極的に促進する制度が必要です。