2013年4月11日 神奈川新聞社 記事より

冷暖房にバイオマス空調機を利用するという 神奈川新聞の記事を発見しました。
以下抜粋

神奈川県清川村では、村立緑中学校の冷暖房機に木質バイオマス空調機を導入する。県内の小中学校で初となるが、村にとっては昨年度は導入を断念した経緯があり、2年越しの“リベンジ”ともいえる試み。村としては、県内の木材の有効利用にも一石を投じたい考えだ。

暖房機が老朽化したための更新で、使用頻度が高い3学年の教室などに設置する。夏休みに入って着工する予定で、冬場の暖房費は従来よりも若干安くなるという。

木質バイオマス空調機にこだわった背景には、村域の9割が山林という清川村特有の事情がある。県の水源林整備もあり、間伐などが欠かせないが、伐採木の運搬とともにその有効利用が課題となっている。間伐材では木材としては売れにくく、村では幼稚園の遊具や公共施設の壁面などに利用しているが、ごく一部にとどまっている。山の奥地では運搬、有効利用ができずに、多くは伐採した木をそのまま腐らせて森の肥料にする「切り捨て伐採」となっているのが実情だ。

村教委によると、燃料となる木質ペレットは製材する際の端材などから作るという。今回は業者から購入する形を取るが、他県では、自治体内の学校、病院、福祉施設など多くの施設でバイオマスを採用し、森林組合がペレット工場を建てて自給している例もある。

有効利用へ希望も膨らむが、大矢明夫村長は「村内の使用量だけでは、自給は難しい。県などが普及に力を入れ、もっと広域的に取り組むことが必要だ」と話している。

以上が記事の内容です。抜粋したかったのですが、削除する部分が無かったので・・・。神奈川新聞さまゴメンナサイ・・。

林地残材を活用したバイオマスの分野では、「再生可能エネルギー固定買取制度」利用した大規模な発電が脚光を浴びています。そんな中で発見したこの記事にも敢えて、山林活用ドットコムは
注目したいと思います。

この記事には、バイオマス利用を考える上で重要なキーワードが紹介されています。

?冷暖房への利用
当ブログでも度々ご紹介しているように、発電利用の最大の弱点は(当然メリットもありますが)がそのエネルギー効率の低さですhttp://info.sanrin-katsuyo.com/?eid=16。熱利用が直接的で効率がよいからです。しかし、ここで課題となるのが夏季の熱需要がないという問題です。清川村ではこの解決策として冷房へのエネルギー転換利用を図っている点が注目です。これにより、年間を通じた需要をつくり出しているのです。

?間伐材がこれまで限定されていた理由
これまでも、多くの自治体がこの有効利用として遊具や、建築物や、ベンチ・・・など活用しています。しかし、これだけではどうしても限定的でごく一部に限られてしまうのです(決して悪いということではなく限界があるという意味)。 やはり、安定した需要の最たるものはエネルギー利用です。これにより、年間を通じた木材利用の市場が形成されそれを背景とした雇用が生まれる。いくらよい事でもたまにある仕事では、ボランティア以上のものには無い得ないのが現状です。

?自治体の学校、病院、福祉施設に利用
アベノミクスを代表とする国の補助事業で、いわゆる箱物は今だ健在です。必要なものに補助することに反対はありません。しかし、タダ 従来と同じように作るだけではその時だけで終わってしまう。
その時に、新たな分野(エネルギー利用など)を積極的に行政が導入し市場を作り出していく。この考え方が重要ではないでしょうか?

清川村では、地域の資源を活用していくことを決断されたのではないでしょうか?日本の67%は山。山林活用ドットコムは今後も注目して参ります。