人口減社会 地域の活力育てよう」  AGARA 紀伊民報 2013年11月13日付

和歌山県の県の人口減少が止まらない。こんな記事が目に付いた。10月1日現在の推計は前年より8129人少ない97万9354人で18年連続の減少。ピークの1982年から11万167人も減ったという。

印象的だったのは、自然減少が転出超過による社会減の約2倍であるという事実。(1年間で少子高齢化による自然減は5624人、転出超過による社会減は2505人。とくに自然減は拡大傾向にあり、統計のある1967年以降最多。)

人口減少の原因は様々である。しかし、もっとも重要なのは、その地域に雇用があるかなしかだ。雇用が無い⇒生産年齢人口が流出→少子化→人口減少このような負の循環が生まれてしまう。しかし、今では決して珍しい事ではなく、全国の地方県はどこも同じような傾向ではないだろうか?

田辺市も例外ではない。2005年の合併時に8万5667人だった人口は、9月30日現在で7万9748人。この8年間に5919人減った。

真砂充敏市長は「森林資源を最大限に活用し、山村を元気にしたい。デザイン性で商品価値を高めるとともに、木材の新たな活用法を求めたい」とビジョンを語る。

全国には参考になる事例がある。高知県大豊町(人口約4500人)は、官民協働で今年8月に四国最大級の製材能力を持つ製材工場を稼働させた。これまでは、原木を切り出すまでの事業が主流だったが、地元で製材・加工することで、競争力や地元への経済効果を高めようとしている。

岡山県真庭市(約4万9千人)は、官民協働で間伐材など木質バイオマスを燃料とする発電会社を設立した。出力は木質バイオマスで国内最大の1万キロワット。15年4月の稼働を目指している。未利用資源の活用と地域の雇用拡大につながると注目されている。

地元にある資源を生かす。今あるものをベースに基盤を整える。他に依存しないで済むところから出発することが自立への第一歩かもしれない。