オーストリアでは、化石燃料の世界的な価格上昇により、バイオマスエネルギーへの関心が急速に高まっているという。こうした事情を受け、オーストリア大使館商務部は10月24日、25日にシンポジウム「森林のルネサンス」を開き、林業機械企業や、ボイラー製造企業などのプレゼンテーションを通じ、同国の森林技術を紹介した。

オーストリアの林業従事者は34万人。林業は地方で雇用機会を創出するだけでなく、同国の輸出産業を支えるものである。輸出産業で木材産業が生み出す貿易黒字は。年間40億ユーロに達しているという。農林環境水産資源省のマルテリィン・ネバウワー森林教育および研修部長は、「ここ3年でエネルギーとしてバイオマスが注目され、素材生産量は伸びている」と指摘する。
特に、200ha以下の小規模林区からの生産量が飛躍的に伸びているという。林道の増設、林業機械の導入率の増加の2点がその大きな理由だとされる。特に、タワーヤーダなどの架線技術の導入が素材生産量を拡大させている。素材生産量は年間1900万m3.このうち、600万m3がバイオマス利用に向けられているという。(2012年11月6日付け 日刊木材新聞)

素材生産量の約1/3がバイオマスに利用されており、雇用を創出している。

我が国の林業従事者は、昭和40年に26万人だったのが平成17年には4.6万人にまで減少の一途である。http://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/koyou/01.html

素材生産量は、ほぼ同じ(H23 1,829万m3)なのにこの雇用人数の差はいったいなぜなのでしょう。 木材資源をすべて利用することで裾野の拾い雇用を創出している実態が明確に数字として現れていると思います。